マミヤの忘備録

ラップ、映像、その他諸々について記したいなぁと思ってます。

『ラブライブ!サンシャイン!!(2期)』#7「残された時間」感想

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あらすじ

 地区予選をAqoursはトップで通過。アキバドームでのラブライブ!決勝が決まる。しかし入学希望者はまだ目標まで達していない。千歌たちは浦女に戻ることに。

 鞠莉が父にかけ合い、期限を明朝5時までに引き延ばした。徐々に増える入学希望者。鞠莉とダイヤの計らいもありメンバー全員で学校に残り見守る。

 迫るタイムリミット。"98"まで希望者が集まるが、時刻は5時になり、無情にも募集は打ち切られる。あらゆる手を尽くしたが、"100"に到達できなかった事実に打ちひしがれる。

  心機一転、前を向こうとするが、みんなどこか納得できておらず、各人で今一度考えることに。

 朝、屋上に来たメンバーたち。みんなの気持ちは一緒だった。「学校を廃校から救えなかったのに輝けない」と辞退しようとする。

 「なら救ってよ!」校庭から声がする。むつたち全校生徒が集まっていた。廃校を阻止することだけが学校を救うことじゃないと言い、千歌たちに懇願する。「浦の星女学院、スクールアイドル"Aqours"―――その名前をあの舞台に永遠に残して欲しい。Aqoursの名前と共に!だから輝いて!」

 浦の星女学院全校生徒の想いがひとつになり、千歌はぶっちぎりで優勝することを誓う。

 風に巻かれた羽が青に染まり、空に舞っていく。

 

 

 

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感想

 スクールアイドルの光と陰を感じさせる展開でしたが、Aqoursだからこそできることがある、それを信じさせてくれる話数になりました。

 予選を突破した千歌たちの裏に涙を飲んだ人たちがいるのが妙にリアルで、そのリアルさが千歌たちにも迫る辛い展開でした。スクールアイドルはステージ上では"奇跡"を起こせるかもしれませんが、下りてしまうと権力があるわけでもない普通の女の子です。廃校になりそうな田舎の学校という事実が重くのしかかってきました。

 入学希望者の数が"98"で止まってしまうのも絶妙でした。ほんの少しだけど絶対に届かない、そんな絶望感がありました。募集打ち切りの瞬間はあまりにもドライで、その後の千歌たちの葛藤がより映えます。千歌の「"奇跡"を起こすまで泣かない」という誓いも破れて、どこまでこの子たちは失っていくんだろうと私も涙してしまいました。

 特に、ダイヤに寄り添い涙する鞠莉の姿が見ていて辛かったです。学校存続のために一番尽力しましたし、誰よりも失くしたくなかったと思っていたはず。1期の頃から鞠莉に感情移入することが多かったので余計に胸に来ました。

 「今はラブライブ!のことはどうでもいい」と辞退しようとしましたが、この筋の通し方が悲しい選択ながらも千歌たちらしくて好きです。初めは学校を救うのが目的ではなかったけど、生徒や地域の人たちから応援されて目標をもらって、それが今や潰えようとしてるのに自分たちだけが輝くことはできない。「やりたいかどうか」を口にしてきたからこその選択だと思いました。

 しかし、そこからさらに全校生徒の願いで再び輝くきっかけをもらえるというのも上手いです。ここで良いなぁと思うのは、ラブライブ!に出て欲しい理由が「千歌たちだけのためじゃなく、私たち(全校生徒)のためにも」となっているところです。前も引用しましたが酒井監督が言うところの"純粋な欲"が発露してるなと。

 そんなみんなの願いを受けて、Aqoursの欲もまた復活する。誰に強いられるわけでもなく、一人ひとりがやりたいから、やって欲しいからラブライブ!優勝を目指す。最終章の幕開けにふさわしい展開でした。

 場所がなくなったとしても、"浦の星女学院"の名前を永遠に残す―――それがこれからのAqoursの、みんなで叶える物語となります。

 

 

 

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楽曲紹介

「空も心も晴れるから」
作詞:畑亜貴
作曲:原田篤
編曲:脇眞富
歌唱:Aqours

 1期BD2巻の特典曲ですがまさかここで使われるとは、という演出でした。原曲は2年生が歌っていますが、今回はAqours全員でのバージョンです。

 監督が聴いて使おうと思っただけあって、歌詞の内容がこの話数とリンクしています。もどかしさを抱えながら何とか前を向こうとする千歌たちに重なりました。

 

 

 

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 買い出しに出かける善子たち。黒はんぺんが好物のようです。