マミヤの忘備録

ラップ、映像、その他諸々について記したいなぁと思ってます。

【アニメ感想】『少女☆歌劇 レヴュースタァライト』第6話「ふたりの花道」

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あらすじ

 レッスンの最中、双葉の成長を目の前で見て焦りを覚える香子。その後、聖翔祭に向けた歌劇「スタァライト」のオーディションでメインキャストから外され、さらに焦りが募る。その夜、双葉がクロディーヌに師事して秘密特訓をしていたことを知る。裏切られたと思い怒りに燃える香子を見て、双葉はクロディーヌの部屋に移ることに。

 キリンのオーディションでトップを取ればと息巻くが思惑は外れ、負け続きの日々。香子は双葉の気を引こうと学校を退学し家元に戻る素振りを見せるが、双葉は止める気配を見せない。新幹線のホームで泣きべそをかく香子を追って双葉がやってくる。言い合いの最中に鳴る着信音―――追ってきた双葉、追われてきた香子、二人のレヴューの幕が開く。

 

 

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感想

 今回は双葉と香子の物語だが、前回を補完するようにまひるとひかりのやり取りがあるのが良い。片付けができないひかりを叱咤するまひる、元々世話焼きな気質であることがわかる。華恋に対する想いでこじれてしまったが、わだかまりがなくなれば元々の気質が好転するという展開は、根本的な性格は変わらないが良い方向に向かうことはできるという地に足着いた答えで、さらにキャラ性を殺さずに成長が描けていて、短時間の描写ながらも見事だった。

 そして今回は双葉と香子の幼少期から現在までが描かれるのだが、この二人の話を話数の中盤に持ってくるのがまず上手いなと。二人の話が主ではあるが、今までの物語を見てるとより楽しめる作りになっている。追い追われるという関係性は真矢とクロディーヌを、二人の約束という部分では華恋とひかりを、依存的なところは前の華恋とまひるを思わせる。二人の関係が他のキャラ同士のデジャヴで終わるわけではない。追われる側の香子の自覚のなさと、それをわからせるために追い抜こうとする双葉という図式が二人ならではの関係になる。

 あくまで双葉が支え続け憧れたのは、舞台で咲き乱れる花のように舞う香子だ。その位置まで肩を並べるために双葉は鍛錬を欠かさなかったが、いつしか香子は腑抜けてしまった。その姿勢を叩き直すためのレヴューは、追う側が追われる側を目覚めさせるという今までのレヴューとは一味違う図式になった。

 3話で、双葉は自分も「あたしにだってなれるかもしれないんだ」とトップスタァを目指す旨をクロディーヌに話していたが、双葉にとってはスタァになることで香子の相手にふさわしい存在になれることを含んだ発言だったのかもしれないと6話を観て思う。今回は一番近いファンが一番の共演者という関係だった。物語が紐解かれていくとそれぞれが自分のためだけではなく、誰かのために、どんな理由でスタァを目指すのかがわかってくる。同じような構図でも、それぞれのキャラの関わり方で全く違う物語に昇華されていて、9人という大所帯を巧みにまとめ上げていると改めて思う。

 そして次回は満を持して、今のところ深く描かれていないなながメインの回。サブタイトルがキャラ名というインパクトもさることながら、Cパートでの「今回の再演」という表現も気になるところだ。本作は二層展開式を強く押し出しているが、舞台とはまた違う展開になっていくのだろうか(ちなみに舞台版は未見)。

 初登場時の「全部わかってるわ、私はね」というセリフに得体の知れなさを感じたが、その一端が次回でようやくわかりそうだ。