どうも僕です。mamiya(@mamiya_7)です。ご無沙汰してます。
今回はTAKI(@RexTaki)とのジョイントEP『never let it go』のライナーノーツを綴っていくよ。
はじめに
まずは今回の合作の発端から。
6月末から7月はじめにかけて、TAKI君から彼のall prodでEPを作ろうって誘いを受けてて、不幸以外はなんでも受け取るのが信条のmamiyaはその誘いをありがたく受諾。そこからこのEPの制作が開始になったよ。
おれが蹴りたいトラック3つとTAKIが蹴らせたいトラック3つでEPを制作するってシステムだったんだけど、お互いのフィーリングが合ってたのでほぼ関係ないシステムになった。
おれ自身の転職とかもあって制作マインドになかなか切り替わらん中だったけど、結果的にトラックの持つパワーに後押しされて、わしらの中ではめちゃくちゃ良いEPに仕上がったなという手応えを得た(実際にどう感じるかは聞き手のみなさん次第ですが)。
歌ってることが全てだから語れることも多くはないけど、出して1ヶ月経ったしせっかくだから制作秘話も交えつつ、今回のEPのドキュメンタリーとしてライナーノーツを綴っていこうと思う。
ジャケットについて
ジャケットは1:09さん(@osusi109)にお願いした。何曲かラフを上げる中で「これはけっこう良い物になるのでは?」と感じた我々は、ちゃんとしたジャケットを作りたくなった(当初はTAKIが撮影した二人の近影になる予定だった)。
ばっちりかっこいいジャケット欲しいようってなってたとこに、現代っ子であるTAKIに導かれながら見つけ出したのが1:09さんだった。
ジャケットの外注をするのが初めてだったんだけども、めちゃくちゃ丁寧に対応していただいてかつ自分のビジョン以上のものをラフの段階で上げていただいたのが本当に嬉しかった。自分のざっくりした注文に応えてもらいつつ、1:09さんの個性が爆発してるジャケットを見た時、これがイラストレーター・デザイナーなんだなぁってテンション上がりまくりだったのを覚えてる。
"街"を瞳や髪に映すってアイディアがすごいし、そしてクールな少女の絵柄がすごい自分にドンピシャだったのが決め手だった。
間違いないデザインを提案していただけるので、もし気になった方は1:09さんにご依頼してみるのをオススメします(ガチで)。
1:09さんにこの場を借りて、改めてお礼申し上げます!キュートでかっこいいジャケットをありがとうございました!
M1.『never let it go』
表題曲。EP制作に際して、たしかTAKIから一番初めに送られてきたトラックの一つ。
ギターの音色が良い感じにエモくて、これは上手いこと乗せれそうだなぁってなったのを覚えてる。ほどよくメロが付けやすいトラックだったのでhookもverseもキャッチーにしようと思いながら制作。
タイトルは「あきらめない」とか「手放さない」とかそういう意味がある。hook部分はわりと早めに思いついてその後ほとんど変わってない。トラックが切ないムードを帯びてて内容もおセンチに取れるけど、ポジティブな部分もある曲なんですよね(おれのリリックはトラックのムードにだいぶ左右されるとこがある)。込めたものとしては、こういうことやってると大なり小なり目標はあるけど、叶わなくてもやり続けるのも大事だなって。
ちなみにタイトルは某SF小説からのインスパイア。
M2.『歩くほどの早さで』
ロック風味でかつエモな要素もあるトラック。『never〜』との差別化も一瞬悩んだけど、そこまで音色が一緒でもないので気にせず作って良い感じに。
『never〜』もだけど、ドラムパターンとしてはあんま得意じゃないトラップなんだけども、自分の得意なフィールド(メロとか)に持ち込んで乗りこなした一品。
リリックとしてはネイキッドなmamiyaが出てるんじゃないでしょうか。捻ったことは書かんとこうって気持ちで綴った覚えがある。
hookにコーラスを入れることになったのはTAKIのアイディア。スキャットで「うぉううぉう」歌ってみたらかっこよく仕上げてくれました。
この曲のタイトルは某ロボット漫画のサブタイトルのインスパイア。と言いたいとこなんだけど、元のサブタイをちゃんと覚えてなかったがゆえに、原型から遠いタイトルになったという経緯がある…。
またこの曲、ラッパーのLu-Ha君(@_L_u_H_a_)がリリックビデオを制作してくれました!本当に感謝!こちらも何卒!
【Lyric Video】mamiya×TAKI「歩くほどの早さで」
M3.『Relax feat.ツカモトタツミ』
このトラックはおれからの発案で作成。前2曲もチルな部分はあるけど、よりゆったり気兼ねなく聴けるものを真ん中に置きたいなと思ってこういう形に。テーマはタイトルの通り「リラックス」。
おれがリラックスするだけじゃなくて、聴く人も一緒にリラックスしてほしいので語りかけるようなリリックになった。hookがけっこう好き。
客演には同じTOKIIRO STUDIOからツカモトタツミ(@mondohryo)。「リラックス」をテーマとした時点で一緒にやろうと勝手に決めてて、おれが彼に感じている雰囲気だったり、彼のフロウだったりがこの曲に合うだろうなぁと思って打診。結果的にシリアスだけどどこかファニーなverseになってて、EP中盤の良きクッションにこの曲を昇華してくれた。
タツミ、一緒にゆったりしてくれてありがとね。
M4.『宇宙芥子 feat.(COOH)2』
『Relax』とは打って変わって、不穏なトラップビート。これはTAKIからの要望で蹴ることに。
テーマもあらかじめ決まっていて「メトロン星人」(ウルトラセブンのです)。内容自体はリリックを書くおれとシュウ(@cooh2shu)に委ねられた。ちなみに不思議なタイトルの意味はセブンの「狙われた街」をご覧になればわかるのでぜひ!
おれとシュウとのバトルのようなかけ合いでverseをリレーする構成になっていて、先におれが書いたリリックにあとでシュウがフリースタイルでかましてくれた。
この曲のためにセブンの「狙われた街」、マックスの「狙われない街」を見た。それがリリックに大きな影響を与えたかはわからん。メトロンについての歌というよりメトロン回でのエッセンスをウルトラQっぽく描ければと思った(あと『ゼイリブ』っぽい雰囲気も足せればと)。
シュウのverseは完成度高くて、その中になぜかガンダムZZのパロが入ってるのも(COOH)2というラッパーを知ってると違和感なくて最高。
シュウ、不信が募る世界観を一緒に築いてくれてサンキューです!
M5.『Escape Journey』
こちらはTAKIからの提案のトラック。後述する『faraway from』もそうだけど、もらったときから身が引き締まるような気分になってすごい嬉しかったのを覚えてる。
例えるなら「自分用にチューンナップされたワンオフの機体」を託されたような気分だった。それだけおれを想定しまくってくれてるトラックだと感じた。
タイトルの意味は「逃避行」。ジュヴナイル物のような雰囲気にしたくて、鬱屈とさせる環境から旅に出るビジョンを思いながら作った。一人じゃなく同じ気持ちを抱える人と一緒にというのが肝かと。
映画『ベイビー・ドライバー』みたいに疾走感溢れるものをイメージした。あと初期のタイトルは『Bonnie and Clyde』なんだけども、おれ悪いことして逃げるわけじゃないし、そもそもこの二人バッドエンドだしってことで今のタイトルになった。
TAKIの構成したメロディが秀逸で、歌物の部分は上ネタにほぼ乗っかる形。キーがおれの曲の中でもトップクラスに高くて、recでめちゃくちゃ苦労した思い出がある笑。
M6.『faraway from』
このトラックはおれからの提案。ハイウェイのイメージで注文して、がっつりシティポップで返ってきたのがあまりにも衝撃的だった。「TAKI君こんなトラックも作れるの!?しかもすげぇわしにチューンナップしてくれてる!?」って一人で湧いた。
相乗効果で新たな曲の方向性が拓けたって部分で、M5とM6はおれたち二人にとって思い入れが強い。トラックってのはある種舞台みたいなもんで、そのお膳立てされたシチュエーションの中で最後の一撃をどのように放つかってのがラッパーの仕事だと思う。特にこのトラックは聴いた瞬間にしくじれないなって感じたから、今出せる自分のポップネスをいっぱい注ぎ込んだつもりだ。
『Escape〜』で故郷を出た主人公たちがハイウェイで「遠く離れて」新しい場所を目指すようなイメージ。要は前曲の続編みたいなもの。
この曲は全編がっつり歌物にするぞうって自分の中のコンセプトがあって上手いこと成功したなと。他の曲のもだけど、ファルセットのコーラスも自分で声を出してる。裏声で重ねるの楽しいのよ。
リリックについては聴いたまんまで難しい比喩とかはなし。奇しくも『never〜』と似た要素がある内容のhookだけども、これもトラックのおかげで逆にわかりやすくポジティブになってて、表現の仕方で聴こえ方は千差万別だなぁと改めて学びがあった。
この曲が一番最後に完成したんだけども、撮り終わったあとに気づいた部分の修正をTAKIが尽力してくれました。いっぱい苦労かけたけど、おかげで俺にとってのアンセムになったよ。
最後に
いろいろ綴ってきたけども最後まで読んでいただき感謝です!
今回はジャケットにkinagoさん(@ki_na_go)制作のTOKIIRO STUDIOロゴ(鳥のトキがモチーフでクール!)を乗せました。ジャケの女の子の服のワンポイントみたくなっててかわいい。EP完成前にロゴをいただいたので思い入れがありますわね。素敵なロゴをありがとうございました!
こんな感じでいろんな人の力を借りて完成できた『never let it go』でした。
制作に協力いただいたみなさん、聴いてくれたみなさん、これから聴くかもしれないみなさん、このライナーノーツを読んでくれた目の前のあなたに感謝とリスペクトを。
そしてTAKI、誘ってくれてありがとうな。またやろう!