マミヤの忘備録

ラップ、映像、その他諸々について記したいなぁと思ってます。

【ライブ感想】挫・人間 TOUR 2020 〜さような来世!風と共に去りヌンティウス〜 in 渋谷O-EAST

ご無沙汰してます。マミヤです。

今回は題名の通り、先日行われた挫・人間のライブ『挫・人間 TOUR 2020 〜さような来世!風と共に去りヌンティウス〜』の渋谷公演についての忘備録だよ。

ライブの感想とかレポは鮮度が命と思うけど、そういうスピード感と無縁なのと、書きたいときに書くのが自分の流儀で今書きたい!ってなったから、たった今あいぽんをタップしまくってるよ。

 

自分語りしちゃうけど、そもそも今回のツアーは絶賛コロナ禍にいろんな意味で陥ってて、行けなかったはずだった。けど延期に次ぐ延期と一週間まるまる出張だったはずの仕事の予定がズレまくったおかげで、この延期ライブに滑り込んだ形になった。

もちろん当日券。若くてオシャレだったり個性を出してる女性ファンたちの中でスーツ姿のわしがいた。隅っコらしい勝手な疎外感を感じつつも、入場すると聞き覚えのあるオタクの声。

秋葉原サイファーの1st EP(完売御礼)が流れてたんですよね。先に入ったマイメンから何周もずーっと流れてることは聞いてたけど、隅っコのみんなが良い子にして着席してる中、電子ドラッグみたいな曲が虚空に響いてるのがシュール。たまたま一緒になったこのEPに参加してるマイメンたちもこそばゆい表情だった。

ちなみにイマオカマヤさんの歌う『スクセブパラパラ』が、一面マスクで沈黙している会場の空気的に一番威力があった。次回は2nd EP『沼の罠』以降の作品もぜひ…(露骨なお願い)

 

こっからは主観マシマシなレポに入るけど、自分の特に印象深かったことを書いていくのでセトリや細かい演出がどうだった、とかは他の隅っコ諸兄のレポを参照してくれよな。 

 

秋葉原サイファーマイクリレーの終盤の音がフェードアウトしていき現れる挫・人間。アベマコトの東京での最後のライブだが出で立ちはいつもどおり、いや気合は入ってるがバンドとしては湿っぽい情感は抜きだった。

『テクノ番長』で先陣切り込むってのはやっぱ気持ちがよくて爆発力を感じる一曲目だった。「お前が一番テクノ!」の下りは観客はみんな声出せないので拳を掲げたり、咲クラっぽくなってる人もいて思い思いに手を伸ばしていた。今回のライブ全体に言えることだけど、結果的にボディランゲージがいつも以上にマシマシになってることは言うまでもなく、声を出さない接触もしない、だけど身体を使った連帯感はある、というのは挫・人間にとって新しいライブの形なんだろうなぁと思った。

開幕したMCで「お前らが聴きたい曲を全部やる!」とシャウトした下川リヲの言葉に偽りはなく、新旧の楽曲を織り交ぜたセトリになっていた。

感想を全てに対して書いてると、書きたいことが書ききれない恐れがあるので、特に個人的により聴きたかった曲や印象に残った曲について感想を書いてくよん。

『タマミちゃん』でのストレンジなリリックに合わせて唸るリズム隊とシャープなギターに頭と身体が揺れていった。ポエトリーな歌唱からキャッチーなサビに入るのが最高に頭が振れるし、サビの音抜きは思わず身体が跳ねちゃう。

『セルアウト禅問答』の展開の激しさに思わず笑顔になってしまう。穏やかな展開のとこでも下川さんは基本的にボーカルやるの大変そうな譜割りでほんとフィジカル強い…。

『ソモサン・セッパ』セルアウト〜以上に展開が多く激しくキャッチー。(どの曲もそうかもしれんが)ライブでこれをちゃんとやり切れるバンドとしての層の厚さがしっかり感じられた。

『JKコンピューター』近年の挫・人間では一番好きかもしれない。世界観がすごい謎なのにSF!ってとこが好みなのかもしれん、あとはサビが大好き。下川さんのハイトーンボイスがめちゃくちゃ活かされてるし、ライブでもしっかり耳に染み込みました。

余談だけど、この曲はじめて聴いたときから『フリクリ』っぽさを感じていて(聴いてると在りし日のガイナックスやTRIGGERの映像を頭に思い浮かべてしまうのよね)、某「邪悪なフリクリ」がアニメ化されたあかつきには主題歌なんかをやって欲しいぜぇという願いがある。

『絶望シネマで臨死』サビ前の「一生に一度 死んでもいい この世で 手を穢して」の流れと競り上がってくるギターの音色でなんか涙ぐんじゃうんですよね。あとスペチャンの下りは毎回面白いし、声を出さなくてもそもそもフリがバッチリついてるのでフリだけに集中できたような気もする(?)。夏目氏のフリのレクチャーの間、ずーっとペダル踏んでカウントを刻み続けるキモツ氏が愛おしい…。

『マジメと云う』アベ氏をモチーフにしたという曲。クソマジメな友人を送り出すには最高の曲だった。うそぶきながらも、曲を作ってまでしっかりエールを伝える下川さんたちもまた、天邪鬼だけどくっそマジメだよなぁと思う。アベ氏の演奏も終盤の熱を浴びたものになっていて、込み上げるものがあった。

『下川最強伝説』誰かを送るというときには歌うと決められているらしい本曲。MCで「みなさんがどんな気持ちで来てるか、わかるようなわからないような」ということを下川さんは言っていたが、たぶんそれはこちら側も同じで、湿っぽくしたくなくても寂しいなって思うのはファンの心情で、それに決着をつけることができる最後の手段が『下川最強伝説』だった。

挫・人間というバンドのアティテュードとして最高なのは、アベマコト a.k.a 感謝マンを成仏させるために下川さんたちはずーっとふざけ切っていたところだ。ずーっと一緒にやってきたメンバーにただ感謝を伝えるんじゃなく、大きい会場の全てで送り出そうという気遣いが見えた。うそぶいたりとぼける度に、アベ氏への愛がそこにあるように感じられた。だって大好きじゃなきゃ「僕ら前世から恋人だ」とか「君の子供産みたい」って歌詞を手向にはできないよほんと(全く知らん人が見るとすごい文章に見えるなこれ)。

最後の「羽ばたきたい」をアベ氏に歌わせようとする下りで最終的に3人で声を合わせ叫ぶのも、最高に天邪鬼でバンドのスタンスとして完璧だった。

 

夏目氏の唐突な夏フェスディスや、アベ氏アンコール開幕から筒美京平リスペクトの『また逢う日まで』熱唱など、トピックがまだまだわんさかあるので行けなかった人は円盤を震えて待て!

 

ツイートでも書いたけども、終盤で上手(いわゆる幽霊側)から見た、アベさんと下川さんの背中合わせのツーショットがまさにロックバンドって絵面で、今年イチってぐらいかっこよかった。

長く書いて振り返ってきたけども、なくしたものではなく、今から彼らが生み出すものを数えていこう。ってなことを書いてシメとさせていただきます。

アベマコトさん、おつかれさまでした!