あらすじ
梨子に断られてもめげることなく勧誘を続ける千歌だが、誘えば誘うほど梨子の態度は硬化していく。
部の正式な発足も相変わらずダイヤは断固拒否。問答する中でダイヤもμ’sのことに詳しいことが判明するも、認めてもらうことは叶わず。
海岸で偶然会った梨子の「海の音を聴きたい」という言葉を受けて、スクールアイドルとは関係なしに海へダイビングすることに。果南のボートで沖へと向かい、千歌・梨子・曜の3人で「海の音」を聴くことに成功。
心境の変化もあり梨子が作曲として加入するも、歌詞がないということに気が付く。頭を悩ませる千歌だったが「スクールアイドルを好きな気持ち」を詩に込めることで作詞を進める。
ピアノもあまり上達しなくなり、何をしていても楽しくないと心情を吐露する梨子に、「スクールアイドルをやってみる」ことを提案する千歌。ピアノを捨てるのではなく、また笑顔で弾けるように。再起に向けて気持ちが重なる―――。
感想
スクールアイドルに懐疑的だった梨子がだんだんと認識を改めていき、スクールアイドルとして活動するまでのお話。
梨子がメインとはいえ、次回以降の伏線張りも抜かりありません。第1話のように回想を使って時系列を前後させながら、ダイヤが現実のラブライバー並みの熱意と知識を露呈したり、善子の不登校の経緯が語られたり、果南と鞠莉の穏やかではない絡みなど、この話数の前半に散りばめられています。
そして今回、物語の中心となる梨子もまた自らの現状を変えたいと願いながらも動けずにいることがわかります。
ピアノへの想いを再起するためにスクールアイドルをやる、という流れは段階を踏んで丁寧に描かれます。
千歌と梨子が出会った海岸で羽が舞い降りたときと同じように、3人で海に潜る場面では魚のシルエットが登場します。1人では見えない景色も誰かとなら見えるかもしれない、というグループらしい描写になっています。そしてその場面で流れる劇伴はサントラでは「想いのかけら」というタイトルが付けられていて、全てそろってはいないけど何か芽生えを感じさせます。
作曲するという形で千歌たち協力してくれることになった梨子ですが、まだこの時点ではスクールアイドルの活動には消極的です。
楽曲作りの参考に出てくるμ'sの「ユメノトビラ」。この曲を聴いて千歌は本気でスクールアイドルになることを決めたと語ります。その熱意を受け取ったあとに梨子が自室で弾き語るのですが、曲を通して気持ちを表すこのシーンが印象的です。そしてそこから、梨子がピアノに対する苦悩を吐露し、千歌がスクールアイドルに誘う流れになります。誘った理由も、ピアノから逃げるためではなく、ピアノに笑って向き合ってほしいから、というのも千歌らしいです。そして千歌に誘われ自らの気持ちで梨子もスクールアイドルになっていきます。それぞれの「やりたいことをあきらめない」というのも今後の展開のフックとなります。
楽曲紹介
1.「ユメ語るよりユメ歌おう」
作詞:畑亜貴
作曲・編曲:山口朗彦
歌唱:Aqours
第2話から流れる第1期EDテーマ。話数によって歌うキャストが変わり、ソロだったり複数だったりいろんな編成を楽しめます。毎話のシメのシーンで軽やかなイントロがかかり、そのままEDクレジットに突入するという構成。EDの作画にもありますが、聴いてると夕方の情景が浮かんでくるようで、明るいだけじゃなく少し切ない雰囲気があります。サビ前の「明日が見えてきた」の部分が好きなんですが、特に曜バージョンと善子バージョンの声の張り方と伸びやかさが心地いいです。
2.「ユメノトビラ」
作詞:畑亜貴
作曲・編曲:佐伯高志
歌唱:桜内梨子(cv.逢田梨香子)
第2話で梨子が自室のピアノで弾き語りをした楽曲。偶然、お隣の千歌に聴かれていたのをきっかけにスクールアイドルへの道を歩むことになります。元はμ'sの楽曲で第2期の3話の挿入歌。千歌が本気でスクールアイドルを目指すきっかけになった歌。ずっとくすぶっていた千歌にとって梨子はずっと探し続けていた存在だったのかもしれません。
思わず堕天使が出てしまい逃げ出す善子。ここからしばらく学校に来てないそうです。