マミヤの忘備録

映画やアニメの感想など自分の趣味について記したいなぁと思ってます。

『ラブライブ!サンシャイン!!(2期)』#13「私たちの輝き」感想

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あらすじ

 砂浜に立てられた優勝旗―――Aqoursラブライブ!決勝を見事に制した―――。

 今日は浦の星女学院の卒業式、そして閉校式だ。生徒たちは和やかな雰囲気で、学内で談笑し合っている。

 式を控える中、理事長室でダイヤは「最後くらい真面目に」と鞠莉に釘を刺す。すると、窓をペイントするルビィの姿が映る。中庭を解放し、学校そのものに寄せ書きをしていたのだという。生徒が思い思いに描いていく。Aqoursは9色の虹を残した。ふと涙をこぼすルビィ、花丸は「最後まで泣かないってみんなで約束したんだから」と言い聞かせる。

 卒業式、卒業生代表として果南が登壇。「なんか変だね、鞠莉からもらうなんて」と微笑み、「一生の宝物だよ」と言いながら目配せする。

 ダイヤが代表し卒業式の閉会、そして浦の星女学院の閉校を宣言する。鞠莉は優勝旗を手にし、声を上げる「私たちはやったんだ!」―――。

 式が終わってもなかなか帰らない生徒たちを屋上から眺める千歌たち。それでもきちんと終わらせなくてはならない。後片付けや戸締りに行く。

 教室を、図書室を、音楽室を、理事長室を、部室を閉めていく。そして最後、校門は全校生徒に見守られながらAqoursの9人が閉める。千歌は力を振り絞り門を動かすが、途中で止まり、涙をこぼす。「泣くもんか。浦の星の思い出は笑顔の思い出にするんだ…泣いてたまるか…」曜と梨子が「一緒に閉じよう」と手を添え、門を閉じる。すすり泣く生徒や保護者。ここに、浦の星女学院は閉校した―――。

 時は流れ、"十千万"の前の砂浜にたたずむ千歌。母に優勝旗をその場所に立てる理由を問われ、「みんなからよく見えるところが良かったから。いつ来ても、いつ戻っても出迎えてくれるように」と返す。3年生たちもすでに旅立った後だ。母は紙飛行機を飛ばしながら「昔の千歌は上手くいかないことがあると周りの目を気にして諦めたフリをしてた。紙飛行機のときもそう」と昔話をする。千歌は紙飛行機を拾い上げて飛ばすが、すぐに地に着いてしまう。

 千歌も母に問いかける―――「私、見つけたんだよね?私たちの輝き。あそこにあったんだよね?」

 母は「本当にそう思ってる?」と返す。千歌はまた紙飛行機を飛ばすが、やはりすぐに墜落してしまう。

 「相変わらずバカチカだね」「何度でも飛ばせばいいのよ、千歌ちゃん」姉二人が声を上げる。「本気でぶつかって感じた気持ちの先に、答えはあったはずだよ。諦めなかった千歌には、きっと何かが待ってるよ」と母は背中を押す。

 ふたたび、紙飛行機を飛ばす千歌。機体が落下しそうになったその瞬間―――

 「行け!飛べー!」

 千歌の叫びが届いたのか、突風が吹く。すると機体が風に乗り、持ち上がる。そして海を越え、山の方へと進み始める。

 紙飛行機を追いかける千歌。母は「行ってらっしゃい」と笑顔で送り出す。

 いつもの通学路を走り、紙飛行機の軌道を追いかける。紙飛行機がたどり着いた場所は浦の星女学院の屋上。門が開いており、千歌は校内に入っていく。見慣れた場所を闊歩するうちにAqoursのみんなの声が木霊する。

 屋上へと着いて紙飛行機を手に取る千歌。「私は嘘つきだ…泣かないって決めたよね、千歌…」みんなとの日々を思い出し、思わず涙が溢れる。

 「「「ガオー!」」」

 体育館の方から声が聞こえる。いないはずの、生徒たちの声が。

 走り出す千歌。体育館に着くと「遅いじゃん!」とむつたちが声をかける。全校生徒が集まっていた。

 「じゃーん!」生徒の号令でステージの幕が上がる。旅立ったはずの3年生を含めたAqoursのメンバーがそこにはいた。「最後に、千歌と、みんなと歌う」ために集まったのだ。「歌おう!一緒に!」手を差し伸べる8人。千歌はステージへと駆け出す。

 ライブの中、千歌は確信する―――

 「わかった。私が探していた"輝き"、私たちの"輝き"。あがいて、あがいて、あがきまくって。やっとわかった。最初からあったんだ、初めて見たあのときから、何もかも。一歩一歩、私たちが過ごした時間の全てが"輝き"だったんだ。探していた私たちの"輝き"だったんだ。」

 虹が彩る校庭の中で、Aqoursの9人と浦の星女学院のみんなが紡いだ"すばらしい物語"は笑顔と共に幕を降ろすのだった。

 

 

 

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感想  

 まさに最後の最後までみんなであがいて、みんなで輝いた物語でした。千歌があの答えを出してくれたことがとにかく嬉しくて初見で咽び泣いてしまいました。

 シーンの頭から感想を綴りたいと思います。まず、冒頭で風にたなびく優勝旗が映り、この時点で優勝自体は最終話のテーマではないのだとわかりました。 それと合わせて浮かない表情で紙飛行機を飛ばそうとする千歌、ここから千歌のパーソナルな話が最後のテーマなのだと受け取りました。

 卒業式当日、季節は一巡して桜の頃ですが、梨子が愛犬"プレリュード"を飼い始めたり、しいたけに子どもができたり、しっかりと時間の経過がわかり、それぞれが新しい朝を迎えています。

 中庭を寄せ書きで埋め尽くすシーンでは、なくなってしまうとしても自分たちらしく何かを残そうとしていて、千歌たちなりのあがきはまだ終わってないのだと感じました。

 卒業式では、3年生たちの晴れやかな表情が印象的でした。さらに閉会および閉校の言葉を述べるのが、常にみんなを見守りしっかりしていたダイヤというのも感慨深いです。そして矢継ぎ早に鞠莉が「私たちはやったんだ!」と優勝旗を持ち、雄々しく叫ぶシーンでこちらも涙が溢れてしまいました。冒頭の優勝旗はあっさりと出してたのもあり、より響くものがありました。そして「青空Jumping Heart」へと繋げる演出はすばらしかったです。

 帰らない生徒たちを眺めて千歌たちがセリフを紡いでいきます。そこで善子が最後まで屋上に残り、無言で立ち去ります。いつもなら暗い空気にならないようにと、堕天使として振る舞う彼女が別れの余韻に浸るようにしていたのが、不登校の時期もあったけど善子なりに学校に思い入れがあったからなのかなと。

 2年生たちが教室に戻るとそこには、ラブライブ!決勝のAqoursの姿が描かれた黒板アートがありました。劇中ではむつたちが書いた設定ですが、これは沼津にある"つじ写真館"の峯知世さんの手で実際に描かれたものだそうです。背景や美術、ロケーションなど現実の沼津を意識した演出が多い本作ですが、嬉しいサプライズでした。スタッフの方々の努力と地元の方々の協力があってこその素敵な演出でした。

 黒板アートについて、むつたちは「私たちから見た千歌たち。輝いてたなぁ」と言います。それを受けて千歌も「私たちも見えてたよ。会場いっぱいに広がるみんなの光が」と返します。千歌たちから見る光、会場全てが青色に彩られる景色は壮観でした。観客はAqoursの輝きに魅せられ、Aqoursもまた観客の光に照らされる、この相関こそアイドルの真骨頂だなぁと。

 花丸・ルビィ・善子が図書室で本の寄贈のための荷造りを終え、扉を閉めるシーン。最初は一緒に閉めようとしない善子に、強く懇願する花丸が印象的でした。三人で閉める瞬間、「今までマルたちを守ってくれて、ありがとう」という図書室への花丸の一言に涙しました。引っ込み思案、あがり症、引きこもりと一人でいるのが常だった子たちが今では仲間を作り、一緒に活動してきました。活発になっても、基本的に一人でいられるところが1年生のホームであることがよくわかります。

 梨子と曜が音楽室でたたずむシーンでは、梨子に対して素直に好意を伝える曜の成長が伺えます。嫉妬した時期もあったけど、それすらも糧にできたのだと思います。サンシャインではしっかり言葉で伝えるシーンが印象的ですが、ここもその一つになりました。

 理事長室で生徒代表の果南・ダイヤから感謝状を受け取る鞠莉。最初は躊躇するも、二人に促され受け取ります。12話で鞠莉がかけた言葉を今度は果南とダイヤが言い、お互いを支え合う関係性がよく見えました。

 そして校門を閉じるシーンで、その場にいるもの全てが涙を流しますが、どんなに取り繕っても悲しいものは悲しいとストレートに響いてきました。いつでも終わりというのは寂しさを伴うものです。

 Bパートは千歌の話が丁寧に描かれました。

 砂浜のシーンで千歌の母が「周りの目を気にして諦めたフリをしてた」と言いますが、千歌の視点でも、曜の視点でもなく、親から「こういう子だったね」って話が出てくるのが妙にリアルでした。ここで母が語る"昔の千歌"に共感を覚えました。先のことが不安で、周りを怖れていて、普通なことがコンプレックスで―――こういった影の部分っておそらく誰しもが抱えていて、だからこそ千歌の物語はこんなにも響くんだなと思います。

 千歌がまだ"輝き"を手にしてないと自覚して、紙飛行機を飛ばします。この紙飛行機は、私は"千歌自身"を表しているように思います。頼りない強度ですが、風に乗ればどこまでも行ける。そんな危うさと真っ直ぐな気持ちが表現されているのだと。

 紙飛行機を追いかけた先で千歌は「私は嘘つきだ」と涙を流します。思えば『ラブライブ!サンシャイン!!』は、失敗や失っていく物語を描いてきました。自ら禁じた涙を思わず流したり、廃校を阻止できなかったりと―――ですが、だからこそ、千歌があがく姿が映えて、見ているこちら側も勇気が湧いてくるような気持ちになりました。

 生徒の気配を感じ、体育館へと駆け出す千歌。1期1話と同じように千歌のモノローグが挿入されます。そして一人だけ遅刻してきた千歌に声をかけるみんな。2期1話のときと同じ、千歌はちょっぴり遅れてきてしまうのです。そしてステージの幕の先にはAqoursのメンバー。「千歌と、みんなと歌うために」駆け付けました。このシーンは諦めずにあがき続けたAqoursへの、なにより千歌へのプレゼントのようでした。あまり状況が細かくは語られないシーンですが、1期13話のときと同じで、どこからがイメージでどこからが現実なのかは、あまり重要ではないと個人的には思います。

 そして、浦の星女学院のみんなに見守られながら、Aqoursが9人で「WONDERFUL STORIES」を披露します。

 間奏中に千歌がやっと手にした"輝き"について話します。追いかけて、あがいて、泣いて、彼方まで行きついた先で、"輝き"は最初の秋葉原での出会いからあったのだと気づきます。"奇跡"を起こし、優勝した結果としての"輝き"もそこにはあったと思います。しかしそれだけではなく、千歌自身の"輝き"はAqoursが描いてきた"軌跡"の中にありました。素朴な答えかもしれませんが、"普通"の呪縛にとらわれていた千歌が、憧れ始めたときから今までの"軌跡"を丸ごと肯定してくれたのがとても嬉しかったです。

 このシーンは、千歌が"普通"な自分を本当の意味で肯定できたシーンだと思いました。全力で走り続けた"時間"のことを"輝き"とするなら、ありふれた日々やくすぶっていた時間もまた救われるし、浦の星女学院がなくなった先の時間でも千歌たちは輝ける。そのことを想うと、重ねてきた日々を肯定し、"人生賛歌"のように歌い上げる千歌たちに涙が止まりませんでした。私にとっても、Aqoursを追いかけてきたからこそ、自分を普通な人間だと思うからこそ、すばらしいメッセージになりました。

 

 

 

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楽曲紹介

青空Jumping Heart
作詞:畑亜貴
作曲:伊藤賢/光増ハジメ
編曲:EFFY
歌唱:Aqours

 1期OPが2期最終話のOPとなって帰ってきました。μ'sのときと同じで、おそらくアンコールを受けてのステージだったのだと思われます。決勝での「WATER BLUE NEW WORLD」で、会場全体を海・空・そしてAqoursの色に埋め尽くしてからのこの曲です。一面が青色の景色でそりゃ飛び出したくなる気持ちになるわなと。新規の作画にもグッと来るのですが、既存のカットもまた違った意味を帯びているように見えました。

 1期OPで千歌が輝いているスクールアイドルの方に向かって飛び出すシーンが差し替えられています。今までは千歌の飛び出す先にはμ'sがいるのだと思っていましたが、2期最終話まで観ると"未来のAqours"なのかもしれないと思いました。ラブライブ!決勝まで来てその未来に追いついた、だからこそこのカットはあえて消したのかなと。

 また「WONDERFUL STORIES」でヒストリーを振り返ることを考えると、ここで「青ジャン」を入れたのは本当に上手い演出だなと思いました。

 

 

「WONDERFUL STORIES」
作詞:畑亜貴
作曲:Carlos K.
編曲:EFFY
歌唱:Aqours

 浦の星女学院で最後に歌われた楽曲。作曲はラブライブ!シリーズ初起用のCarlos K.さん。アーティストや声優、アイドル等々に幅広く曲を提供されている方です。編曲はAqoursの楽曲を数多くアレンジしてきたEFFYさん。明るい曲調で今までのAqoursのことが歌われています。"WONDERFUL"の文字が9文字で、そのあとの"STORIES"が複数形というのがすばらしいです。9人の"やりたい"気持ちを汲んで作られたのがわかります。

 歌い出しの「ユメを駆けてきた」ですでに感動ものでした。Aqoursってとにかく走ってるイメージが強いグループだったんですが、歌い出しでこの歌詞はさすがだなと。「全力で輝いたストーリーさ」と過去形になってるのもやり切った感じがして良いです。途中でメーテルリンクの『青い鳥』になぞらえた歌詞がありますが、原典と違うのは青い鳥を鳥籠の中に見つけるだけではなく、自由に飛ばします。"輝き"を持って巣立っていくことを表現してるのかなと。みんなに元々あった"輝き"を見つけられたことで、廃校が決して悲しいだけの出来事ではなくなったのだと思います。

 決勝のライブと対照的なのは、「WATER BLUE NEW WORLD」はAqoursの青色で景色を埋め尽くしていたのが印象的でしたが、「WONDERFUL STORIES」はタイトル的にも「この色!」って決まったイメージがないように思いました。つまりそれは見てる側にその色を委ねていて、浦の星女学院のみんなの色で、ひいては視聴者のみんなの色で照らしてほしいというメッセージを感じました。

 PVもかなり凝っていて、今までのライブや日常の場面での衣装がふんだんに使われており、視覚的にもAqoursのこれまでを振り返りやすくなっていました。過去の名場面の再現もあり、ある種ミュージカルのようでした。特に「未熟DREAMER」の花火や「想いよひとつになれ」で梨子のポジションが空いていて、さらにこのときだけライトがサクラピンクに染まっているのが印象的でした。

 このライブを見てるとあのときにはこんなことがあったなと、内容を振り返ってしまうのですが、思い出すのは良い展開ばかりではありません。苦渋をなめて、悩んだことなども一緒に思い出してしまいます。それでも、悲しいことも含めて、歩んできた一歩一歩すべてが"輝き"なのだと、当事者の千歌たちが言ってくれたことが見ているファンにとっても救いになりました。「No Rain, No Rainbow !」これは最終話後の酒井監督のツイッターでの言葉ですが、雨にうたれた日があっても、それすらも虹をかけるための"輝き"なのです。

 

 

 

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 張り切りすぎて髪がすごいことに…。半べそかいてますが、この髪形でも十二分に似合ってしまうのが堕天使たる所以。

 

 

 

 

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終わりに

 いつもなら厳選した善子関連のカットを紹介して終わりなのですが、最終話だったのでもう少しだけ。

 自分にとってラブライブ!サンシャイン!!ってなんだったんだろうって考えたときに、梨子の言葉を借りますが「なんか、がんばれって言われた気がする」ような作品でした。言い換えればサンシャインを見てるときって、なんだか背中を押されるような気持ちになることが多かったなぁと。背中を押されるといっても大それた夢があるわけでもないのですが、確かに自分の中で生きる糧になっていて、Aqoursの9人の色が自分に新しい彩りを加えてくれたのを感じました。

 感想マラソンしてみるか、と思い立ってやってみて、好きな作品を自分なりに言語化してブログにする楽しさもふたたび思い出せました。「"純粋な欲"はこころのエンジン」とは酒井監督の言葉ですが、本当にそれを喚起してくれました。マラソンの最中に事情があって筆が進まず、途中から怒涛のほぼ日更新になってしまいましたが、不恰好だったとしても感想を書きたいと思わせてくれるパワーがこの作品にはありました。

 "欲"の話になってしまいますが、エンタメ作品って視聴者の"見たいもの"を見せるのが真骨頂だと思います。サンシャインはその点がすごくて、ポジティブな展開とネガティブな展開の駆け引きが本当に巧みでした。こちらの"見たい"という気持ち―――例えば"優勝して欲しい"、"輝きを見つけて欲しい"―――が惹起され、まるで浦の星の一員になったように、ぐいぐいとあの世界観に引き込まれました。だからこそ、最後の最後まで見逃せなかったし、答えを聞いたときに追ってきて良かったと思えました。

 劇場版も控えてますます目が離せませんが、TVシリーズはこれでおしまいです。最後に感謝を述べて、感想マラソンの結びとさせていただきます。

 Aqoursをはじめとした 『ラブライブ!サンシャイン!!』に携わったキャスト・スタッフの皆さま、沼津・内浦の皆さま、ラブライブ!シリーズを見るきっかけをくれた友達に心から感謝いたします。

 拙いブログではございましたが、書き切れて良かったです。本当にありがとうございました!