あらすじ
砂浜に立てられた優勝旗―――Aqoursはラブライブ!決勝を見事に制した―――。
今日は浦の星女学院の卒業式、そして閉校式だ。生徒たちは和やかな雰囲気で、学内で談笑し合っている。
式を控える中、理事長室でダイヤは「最後くらい真面目に」と鞠莉に釘を刺す。すると、窓をペイントするルビィの姿が映る。中庭を解放し、学校そのものに寄せ書きをしていたのだという。生徒が思い思いに描いていく。Aqoursは9色の虹を残した。ふと涙をこぼすルビィ、花丸は「最後まで泣かないってみんなで約束したんだから」と言い聞かせる。
卒業式、卒業生代表として果南が登壇。「なんか変だね、鞠莉からもらうなんて」と微笑み、「一生の宝物だよ」と言いながら目配せする。
ダイヤが代表し卒業式の閉会、そして浦の星女学院の閉校を宣言する。鞠莉は優勝旗を手にし、声を上げる「私たちはやったんだ!」―――。
式が終わってもなかなか帰らない生徒たちを屋上から眺める千歌たち。それでもきちんと終わらせなくてはならない。後片付けや戸締りに行く。
教室を、図書室を、音楽室を、理事長室を、部室を閉めていく。そして最後、校門は全校生徒に見守られながらAqoursの9人が閉める。千歌は力を振り絞り門を動かすが、途中で止まり、涙をこぼす。「泣くもんか。浦の星の思い出は笑顔の思い出にするんだ…泣いてたまるか…」曜と梨子が「一緒に閉じよう」と手を添え、門を閉じる。すすり泣く生徒や保護者。ここに、浦の星女学院は閉校した―――。
時は流れ、"十千万"の前の砂浜にたたずむ千歌。母に優勝旗をその場所に立てる理由を問われ、「みんなからよく見えるところが良かったから。いつ来ても、いつ戻っても出迎えてくれるように」と返す。3年生たちもすでに旅立った後だ。母は紙飛行機を飛ばしながら「昔の千歌は上手くいかないことがあると周りの目を気にして諦めたフリをしてた。紙飛行機のときもそう」と昔話をする。千歌は紙飛行機を拾い上げて飛ばすが、すぐに地に着いてしまう。
千歌も母に問いかける―――「私、見つけたんだよね?私たちの輝き。あそこにあったんだよね?」
母は「本当にそう思ってる?」と返す。千歌はまた紙飛行機を飛ばすが、やはりすぐに墜落してしまう。
「相変わらずバカチカだね」「何度でも飛ばせばいいのよ、千歌ちゃん」姉二人が声を上げる。「本気でぶつかって感じた気持ちの先に、答えはあったはずだよ。諦めなかった千歌には、きっと何かが待ってるよ」と母は背中を押す。
ふたたび、紙飛行機を飛ばす千歌。機体が落下しそうになったその瞬間―――
「行け!飛べー!」
千歌の叫びが届いたのか、突風が吹く。すると機体が風に乗り、持ち上がる。そして海を越え、山の方へと進み始める。
紙飛行機を追いかける千歌。母は「行ってらっしゃい」と笑顔で送り出す。
いつもの通学路を走り、紙飛行機の軌道を追いかける。紙飛行機がたどり着いた場所は浦の星女学院の屋上。門が開いており、千歌は校内に入っていく。見慣れた場所を闊歩するうちにAqoursのみんなの声が木霊する。
屋上へと着いて紙飛行機を手に取る千歌。「私は嘘つきだ…泣かないって決めたよね、千歌…」みんなとの日々を思い出し、思わず涙が溢れる。
「「「ガオー!」」」
体育館の方から声が聞こえる。いないはずの、生徒たちの声が。
走り出す千歌。体育館に着くと「遅いじゃん!」とむつたちが声をかける。全校生徒が集まっていた。
「じゃーん!」生徒の号令でステージの幕が上がる。旅立ったはずの3年生を含めたAqoursのメンバーがそこにはいた。「最後に、千歌と、みんなと歌う」ために集まったのだ。「歌おう!一緒に!」手を差し伸べる8人。千歌はステージへと駆け出す。
ライブの中、千歌は確信する―――
「わかった。私が探していた"輝き"、私たちの"輝き"。あがいて、あがいて、あがきまくって。やっとわかった。最初からあったんだ、初めて見たあのときから、何もかも。一歩一歩、私たちが過ごした時間の全てが"輝き"だったんだ。探していた私たちの"輝き"だったんだ。」
虹が彩る校庭の中で、Aqoursの9人と浦の星女学院のみんなが紡いだ"すばらしい物語"は笑顔と共に幕を降ろすのだった。
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