マミヤの忘備録

ラップ、映像、その他諸々について記したいなぁと思ってます。

【映画感想】『レディ・プレイヤー1』現実へ回帰するために

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レディ・プレイヤー1(原題:Ready Player One)

監督 スティーブン・スピルバーグ
原作 アーネスト・クライン

キャスト
ウェイド・オーウェン・ワッツ/パーシヴァル タイ・シェリダン
サマンサ・イヴリン・クック/アルテミス オリヴィア・クック
ジェームズ・ドノヴァン・ハリデー/アノラック マーク・ライランス
ヘレン・ハリス/エイチ リナ・ウェイス
トシロウ/ダイトウ 森崎ウィン
ショウ/ゾウ フィリップ・ツァオ
ノーラン・ソレント ベン・メンデルソーン

 

 

あらすじ

 西暦2045年―――汚染された環境、貧富の差の拡大、荒廃した世界の中で多くの人が生きる中、人々はVRワールド"オアシス"を心の拠り所としていた。ある時、オアシスの創設者ジェームズ・ハリデーが逝去。その後に公開されたビデオの中で自身が所有する株やオアシスの運営の権利など全てを、"イースターエッグ"を見つけたものに譲ると宣言。大勢のエッグハンター(ガンター)や大企業IOIが誇る軍団シクサーズが大挙して試練に挑むが、誰一人としてスコアボードに名前を刻まれることなく5年の月日が流れた。多くのガンターの熱が冷めていく中、ウェイドは発想の転換によって第1の試練を見事にクリア。そしてボードに"パーシヴァル"の名が躍り出る。

 

感想

 冒頭から膨大な画面の情報量に圧倒され、普通の2Dで観たというのに、三半規管を揺さぶられる演出と臨場感にやられました。アトラクション的な体験だけでもかなり充たされますが、そこに80年代を中心とした古今東西サブカルチャー作品のオマージュで彩られているというのだから興奮しないわけがありません。しかしこの作品、表面的な部分だけではなく、テーマも骨太なように思いました。サブカル関連のネタから追っていくのではなく、印象に残ったシーンからテーマを考えていきます。

ここからは結末部にも触れますのでご注意を!

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【アニメ感想】『DEVILMAN crybaby』繋ぐバトン。伝う涙。

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DEVILMAN crybaby

スタッフ
原作 永井豪デビルマン
監督 湯浅政明
脚本 大河内一楼
音楽 牛尾憲輔
キャラクターデザイン 倉島亜由美
デビルデザイン 押山清高
ラップ監修 KEN THE 390
アニメーション制作 サイエンスSARU
製作 アニプレックス、ダイナミック企画
協力 Netflix

キャスト
不動明 内山昂輝
飛鳥了 村瀬歩
牧村美樹 潘めぐみ
ミーコ 小清水亜美
シレーヌ 田中敦子
カイム 小山力也
ゼノン アヴちゃん(女王蜂)
長崎 津田健次郎
ワム KEN THE 390
ガビ 木村昴
ククン YOUNG DAIS
バボ 般若
ヒエ AFRA 

 

あらすじ

 "不動明"は秀でた能力があるわけではないが、人の悲しみに敏感な青年。部活の帰路で居候先の幼なじみ"牧村美樹"が不良に絡まれてるところを助けていると、幼い日に別れた親友"飛鳥了"が現れる。嵐のように不良たちを巻き、了に連れられて、"サバト"という名のドラッグパーティに潜入。了は悪魔の存在を証明するために来たという。狂乱の中で暴力が渦巻いていく中、明は人の心のまま悪魔の力を持つ"悪魔人間(デビルマン)"として覚醒する―――。

 

感想

 鬼才と名高い湯浅政明監督がメガホンを取るだけあって、サイケでスピーディな映像になっていました。現代アレンジされたデザインや独特なデフォルメはさることながら、物語の端折り方やともすればギャグにもなりかねない描写も詰め込まれており、現代の黙示録の世界がそこにはありました。

 

ここからは結末部にも触れますのでご注意を!

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『ラブライブ!サンシャイン!!(2期)』#13「私たちの輝き」感想

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あらすじ

 砂浜に立てられた優勝旗―――Aqoursラブライブ!決勝を見事に制した―――。

 今日は浦の星女学院の卒業式、そして閉校式だ。生徒たちは和やかな雰囲気で、学内で談笑し合っている。

 式を控える中、理事長室でダイヤは「最後くらい真面目に」と鞠莉に釘を刺す。すると、窓をペイントするルビィの姿が映る。中庭を解放し、学校そのものに寄せ書きをしていたのだという。生徒が思い思いに描いていく。Aqoursは9色の虹を残した。ふと涙をこぼすルビィ、花丸は「最後まで泣かないってみんなで約束したんだから」と言い聞かせる。

 卒業式、卒業生代表として果南が登壇。「なんか変だね、鞠莉からもらうなんて」と微笑み、「一生の宝物だよ」と言いながら目配せする。

 ダイヤが代表し卒業式の閉会、そして浦の星女学院の閉校を宣言する。鞠莉は優勝旗を手にし、声を上げる「私たちはやったんだ!」―――。

 式が終わってもなかなか帰らない生徒たちを屋上から眺める千歌たち。それでもきちんと終わらせなくてはならない。後片付けや戸締りに行く。

 教室を、図書室を、音楽室を、理事長室を、部室を閉めていく。そして最後、校門は全校生徒に見守られながらAqoursの9人が閉める。千歌は力を振り絞り門を動かすが、途中で止まり、涙をこぼす。「泣くもんか。浦の星の思い出は笑顔の思い出にするんだ…泣いてたまるか…」曜と梨子が「一緒に閉じよう」と手を添え、門を閉じる。すすり泣く生徒や保護者。ここに、浦の星女学院は閉校した―――。

 時は流れ、"十千万"の前の砂浜にたたずむ千歌。母に優勝旗をその場所に立てる理由を問われ、「みんなからよく見えるところが良かったから。いつ来ても、いつ戻っても出迎えてくれるように」と返す。3年生たちもすでに旅立った後だ。母は紙飛行機を飛ばしながら「昔の千歌は上手くいかないことがあると周りの目を気にして諦めたフリをしてた。紙飛行機のときもそう」と昔話をする。千歌は紙飛行機を拾い上げて飛ばすが、すぐに地に着いてしまう。

 千歌も母に問いかける―――「私、見つけたんだよね?私たちの輝き。あそこにあったんだよね?」

 母は「本当にそう思ってる?」と返す。千歌はまた紙飛行機を飛ばすが、やはりすぐに墜落してしまう。

 「相変わらずバカチカだね」「何度でも飛ばせばいいのよ、千歌ちゃん」姉二人が声を上げる。「本気でぶつかって感じた気持ちの先に、答えはあったはずだよ。諦めなかった千歌には、きっと何かが待ってるよ」と母は背中を押す。

 ふたたび、紙飛行機を飛ばす千歌。機体が落下しそうになったその瞬間―――

 「行け!飛べー!」

 千歌の叫びが届いたのか、突風が吹く。すると機体が風に乗り、持ち上がる。そして海を越え、山の方へと進み始める。

 紙飛行機を追いかける千歌。母は「行ってらっしゃい」と笑顔で送り出す。

 いつもの通学路を走り、紙飛行機の軌道を追いかける。紙飛行機がたどり着いた場所は浦の星女学院の屋上。門が開いており、千歌は校内に入っていく。見慣れた場所を闊歩するうちにAqoursのみんなの声が木霊する。

 屋上へと着いて紙飛行機を手に取る千歌。「私は嘘つきだ…泣かないって決めたよね、千歌…」みんなとの日々を思い出し、思わず涙が溢れる。

 「「「ガオー!」」」

 体育館の方から声が聞こえる。いないはずの、生徒たちの声が。

 走り出す千歌。体育館に着くと「遅いじゃん!」とむつたちが声をかける。全校生徒が集まっていた。

 「じゃーん!」生徒の号令でステージの幕が上がる。旅立ったはずの3年生を含めたAqoursのメンバーがそこにはいた。「最後に、千歌と、みんなと歌う」ために集まったのだ。「歌おう!一緒に!」手を差し伸べる8人。千歌はステージへと駆け出す。

 ライブの中、千歌は確信する―――

 「わかった。私が探していた"輝き"、私たちの"輝き"。あがいて、あがいて、あがきまくって。やっとわかった。最初からあったんだ、初めて見たあのときから、何もかも。一歩一歩、私たちが過ごした時間の全てが"輝き"だったんだ。探していた私たちの"輝き"だったんだ。」

 虹が彩る校庭の中で、Aqoursの9人と浦の星女学院のみんなが紡いだ"すばらしい物語"は笑顔と共に幕を降ろすのだった。

 

 

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『ラブライブ!サンシャイン!!(2期)』#12「光の海」感想

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あらすじ

 「行ってきます!」―――浦の星女学院をあとにして、ついにAqoursは憧れの場所へ。

 東京に到着し、まず向かうは神田明神。決勝のために祈りを捧げる。絵馬を眺めると、浦の星の生徒たちが優勝を祈願したものがいくつもあることに気づく。そして同時に他のスクールアイドルもまた優勝を目指していることを意識する。

 そこにSaint Snowの二人が現れる。聖良は、千歌に以前投げかけられた問いを返す―――「勝ちたいですか?」

 旅館につき談笑する一行。千歌は「これでいいんだよね。優勝して。浦の星の名前を残して。」とつぶやく。みんなが沈黙する中、曜が押入れから枕を取り出し投げつけ、そこから全員を巻き込んでの枕投げに発展する。

 2年生だけで会話する中で千歌は「行きたかった?音ノ木坂」と梨子に聞く。梨子は「少しだけ」と返す。すると千歌は、明日は現地集合にして、行く場所はみんなの自由にしようと提案する。

 千歌はメンバーそれぞれに「勝ちたい?」と問う。答えはそれぞれだが「勝ちたい」気持ちは一緒。

 決勝当日、千歌は秋葉原の地に降りる。すると曜もやってくる―――ここがAqoursにとっての始まり場所。

  曜が手に持ったチラシが風にさらわれる。追いかけるうちにUTXのモニター前まで来ていた。千歌は曜に問う―――「勝ちたい?」

 「もちろん。やっと一緒にできたことだもん…だから、いつもの千歌ちゃんでいいんだよ。未来のことに臆病にならなくていいんだよ。」

 梨子もやってくる。「ピアノは弾けた?」と曜。晴れやかに「もちろん!」と応じる。千歌は梨子にも同じ問いを投げかける。

 「勝ちたい!この道が間違いじゃなかったって証明したい!精一杯、心から、スクールアイドルをやりたい!」と三人で抱き合いながら梨子は叫ぶ。

 曜と梨子も問う―――「千歌ちゃんは、勝ちたい?」

  "0"が記された紙を掲げる千歌。「0を1にして。そのままでいいんだよね。普通で。怪獣で。それで今があるんだよね。私も全力で勝ちたい!勝って"輝き"を見つけてみせる!」

 千歌は風にさらわれる紙を見送りながら「ありがとう」とつぶやく。

 アキバドームへと向かうAqours。だんだんとメンバーが集まる。歩道橋を駆け上がり青空の下で、千歌・曜・梨子・花丸・ルビィ・善子・ダイヤ・果南・鞠莉は円陣を組む。

 「0から1へ!1から、その先へ!」

 

 

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『ラブライブ!サンシャイン!!(2期)』#11「浦の星女学院」感想

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あらすじ

 ゲートを作る千歌たち、見上げるとそこには"閉校祭"の文字。浦の星の全校生徒の願いで最初で最後の閉校祭が催されることになった。

 各々準備を進めていたが、千歌の家の愛犬・しいたけの登場で学校中がめちゃくちゃに。修理にも時間がかかり、下校までに到底終わりそうにないと判断した鞠莉は、夜遅くまでかかったとしても小原家の力で全員を家に帰すと約束。

 日も落ちた頃。一人で作業していた曜のもとに千歌がやって来る。こんな時間がずっと続けばいいのにとつぶやく千歌。曜は「私、千歌ちゃんにずっと憧れてた」と想いを告げる。その後、「おばあちゃんになるまでずっと続けよっか!」とおどけて二人は笑い合う。

 メンバーそれぞれの催し物は、千歌と梨子が大正喫茶、曜と果南が浦の星アクアリウム、ダイヤとルビィがスクールアイドルクイズ、善子と花丸が占い、鞠莉がシャイ煮プレミアム、と様々。

 花丸が占いに興味はないかと千歌のもとを訪ねてくる。案内された教室は真っ暗で善子が待ち構えていた。先に呼ばれていた梨子がピアノを鳴らし、千歌は善子に"Aqoursの未来"を占ってもらう。

 千歌が外の出店を見ていると姉二人に遭遇。二人は当時の"匂い"のままと懐かしげに語る。屋上からよしみに呼ばれ見上げる千歌。そこにはむつたちがバルーンで作ったハートが立っていた。「浦女ありがとう」という言葉も。バルーンが空に放たれる中、Aqoursは二度と戻らないときを想い、まだ見ぬ明日を期待し、今を精一杯楽しもうとしていた。

 閉校祭の最後、キャンプファイヤーを囲みながら挨拶する鞠莉。自分にとってこの学校がどれだけ大切だったかを語るが言葉に詰まり、「ごめんなさい」と涙を流す。

 それを見たむつは「Aqours!」と呼びかけ、他の生徒もだんだんと声を上げる。全校生徒の声を受け、ダイヤに背中を押された鞠莉は感謝を述べて、全校生徒、集まってくれた人たちと「勇気はどこに?君の胸に!」を大合唱する。

 

 

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『ラブライブ!サンシャイン!!(2期)』#10「シャイニーを探して」感想

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あらすじ

 幼い頃、鞠莉はダイヤと果南を連れて星を見に行った。片手に星座早見表を持って。そのときは曇天で星を見ることはできなかったが、果南が早見表に流れ星を描く―――そんなことを思い出しながら鞠莉は願う「ずっと一緒にいられますように」

 年も明けて、正月からラブライブ!決勝に向けて特訓をするAqours。コーチとしてSaint Snowがやってくる。聖良と理亞は浦の星女学院が今年度で統廃合を迎えることを知り、練習への熱がさらに燃え上がる。

 練習中、父から連絡が入る鞠莉。その内容は、浦の星の統合先の学校の理事をやらないかというものだった。春からも鞠莉と一緒だと喜ぶ千歌だが、鞠莉はその申し出を断ったという。春からは父が前から勧めていたイタリアの大学に行くことにしていた。

 海岸に佇む2年生。否が応でもAqoursの今後を意識せざるを得ないが、「ラブライブ!が終わるまでは考えちゃいけない気がする」と千歌は言う。それが、卒業する鞠莉、果南、ダイヤ、そして浦女のみんなに対する礼儀だと。

 淡島のトンネルを歩く3年生。鞠莉と同じくダイヤと果南も進路を決めていた。ダイヤは東京の大学に推薦が決まり、果南は海外でダイビングのインストラクターの資格を取るという。何も言わなかったせいでケンカしたのに相変わらず、と自嘲するダイヤ。

 トンネルを出る3人。小さい頃の鞠莉のおてんばな話が飛び出る。「ダイヤと果南と遊んじゃいけないならパパもママも勘当します!」と言ってのける鞠莉。2人のおかげで広い世界を知れたと感謝を述べる。降り始める雨、流れ星にお祈りできなくていいの?と果南は問い、提案する。「探しに行こう!私たちだけの星」

 鞠莉の運転する車でAqoursのメンバー全員を連れて星を探すことに。山間部を通り駐車場へ。雨の勢いは止まない。千歌は鞠莉の星座早見表を手に取り雨天へと手を伸ばす。「晴れなかったら神様も勘当デース!」9人全員が早見表をかざす。すると、雲が晴れ、まばゆいほどの星空が現れる。メンバーは想い想いの願いを祈るのだった。

 

 

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『ラブライブ!サンシャイン!!(2期)』#9「Awaken the power」感想

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あらすじ

 理亞の力になりたいと花丸と善子に相談するルビィ。2人が協力してくれることに。姉の力を借りずに自分たちでやらねばと、Aqoursのメンバーに詳細は話さず1年生だけで函館に残る。

 理亞の部屋に泊まる1年生。部屋にあった雪のオブジェを見つける。理亞はそれを姉様との思い出と言う。それは幼い頃に雪の中でスクールアイドルになることを約束した始まりの結晶だった。

 姉の話題で熱くなるルビィや、聖良に対して丁寧に会話をする善子を見て感心する花丸。まだ見ぬ力が自分たちにも眠ってるのかもとルビィは言い、それを曲のテーマにすることに。夜遅くまでかかったが何とか曲を完成させる。

 クリスマスフェスティバルに出るため選考会へと行く一行。姉がいないことに不安を隠せず、緊張から言葉を詰まらせてしまうルビィ。改めて姉に支えられていたことを感じ、前を向き自分たちの言葉でコンセプトを説明する。面接後、理亞の同級生に出会うが、理亞は人見知りとライブ失敗の後ろめたさから隠れてしまう。ルビィはライブを行う意志を同級生に告げる。同級生たちは理亞が活動を続けることに安心し、理亞はそう想われていたことに涙する。

 フェスティバル参加が決まり、ルビィと理亞はダイヤと聖良を函館ロープウェイまで招待する。「私たちだけで作るステージを見てください」一人立ちの証明のために宣言する2人。姉たちは嬉し涙を持って受け入れる。

 さらに、ダイヤと聖良に内緒で函館まで来ていた千歌たちのサプライズにより、11人のグループ―――"Saint Aqours Snow"としてパフォーマンスを行う。

 理亞は「やっぱりSaint Snowはおしまいにする。姉様との思い出だから」と言い、新しくグループを作る意志を伝える。妹の成長を見届け、姉は静かに祝福するのであった。

 

 

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